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茨城県久慈郡水府村の竜神大橋たもとにある慈久庵という蕎麦店の店主、小川さんの働きかけで業界の若手(蕎麦店、関連商社)が集い、小川さんの指導の下、蕎麦の焼畑栽培を行う事になりました。 |
8月5日(畑焼き) |
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7月に刈り取った雑草を少しずつ集めて表裏を返し、火を点けます。
この日は3反部を2時間程度で焼き終わりました。 |
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これらの道具を用いて、種蒔きを行います。 |
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すでに剥き込まれた畑に畝を起こして、出来た溝に蕎麦を蒔きます。その後から足で土を掛けていきます。 |
8月22日(播種後12日目) |
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双葉が出て、10〜15Cm位になっています。
自分たちの手で蒔いたので発芽してないのではと心配でしたが、自然の力は偉大です。
我ながら感動しました。 |
9月2日(播種後23日目) |
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台風16号の影響が心配でしたが、ご覧の通りすくすくと育っていました。
すでに40Cmくらいに成長しています。早いものは最初の花をつけています。
次の2枚の写真は、畑を上から撮ったものと根元を撮ったもので、蕎麦の栽培に農薬が不要である事を示しています。
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上から見て蕎麦以外の雑草の姿は確認できないが、実は根元付近には雑草が存在しています。大きさを比べると明らかにそばの方が大きい事が分かります。
蕎麦は発芽の時点から他の雑草より早く成長し、その大きな葉で日光を遮って雑草の生長を抑えるのです。
9月23日(播種後44日目) |
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蕎麦の花が満開です。
今年は台風の当たり年のようで、先の18号の被害を心配しましたが、これも影響なく一安心です。
また、今年は夏の間天候が良くどこの産地も背丈が大きいですが、ご多分に漏れずここの畑も大きいです。120〜130Cmくらいはありそう。
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10月7日(播種後58日目) |
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今度は台風21号です。
遅い時間だったので大変見にくい写真となっていますが、感じは伝わると思いあえて載せてみました。
風の影響か少し傾いていますが、それほど大きな被害ではなさそうです。
暗くなると熊でも出てきそうな雰囲気です。 |
10月14日(播種後65日目)
いよいよ来週は収穫の予定です。近くまで来ていたので様子を見に行きました。先日またまたやって来た台風22号もあまり影響がなく、いい感じで実がなっています。
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と思っていたら、隣の畑で刈り取りをしていた農家のご夫婦がやって来て、「こんなにいい畑は今までに見た事がなかったがなぜかこの畑だけ“いのしし”にやられたんだ、とても残念だ。」と説明してくださいました。 |
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北海道や北米ではよく鹿が寝転んで蕎麦を倒してしまいますが、まさか猪が同じことをするとは思いもよらず、さらには地面をほじくり返すとは!
人生色々、さまざまな困難があるものです。
後で人から聞いた話だと、“いのしし”はミミズを狙って地面を掘ってしまうらしい。 |
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10月21日(播種後72日目・収穫)
台風23号がまだ明けやらぬ雨の中、豪雨の後畑に入れるのか疑問に思いながら常磐道を一路水府へと車を走らせました。途中の車窓からは一面湖と化した田畑が確認できました。
僕らが蒔いた畑は19日の火曜日すでに他の仲間が刈り終えていました。
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今日はその2日後に播種した別の畑を収穫します。
超大型の台風が通過した割には倒伏もあまりせず、脱粒もしていないようです。
傾斜地なのでさすがに水はけも良いです。
面白いもので、同じ畑の中に土の良い所と痩せた所があるようで、雑草の生え方や育った蕎麦の茎の太さなど場所によって違いがありました。
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刈り取り前 |
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刈り取りの説明 |
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小川さんの解説の下、刈り取り開始。初めのうちは会話もはずみ和やかに且つ、スムーズに鎌もはしりました。
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そのうちに無口になり、黙々と刈る刈る刈る! ただひたすら刈る。
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中国で練習したときよりもきれいに鎌が入り、根こそぎ引っこ抜く様な事も無くなりました。茎に水分が残りしっかりしていたからでしょうか。
蕎麦の切り口の断面は中心に穴が空いており、これが切った際に音を出すのか「ポコポコポコ」と鎌が入ると音がします。しっかりとした太い茎ははっきりと音が聞こえますが、やせ細って水菜のような茎からはしません。
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朝、東京を出るときは雨が降っていたのに、日が差すほどに天候も回復しました。台風一過、秋晴れです。
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本日の作業はこれで終了です。6時間ほど掛けて2反部刈り取りました。
これから10日程度乾燥させ、次は脱穀です。
この10日の間に茎に残った水分を実は吸収して完熟します。 |
10月28日(脱穀、刈取り後9日)
最初に刈り取った方の畑です。
乾燥させていた蕎麦もこの頃になると20%強の水分値になっているはずです。この段階で茎から離してあげます。あまり乾燥が進みすぎると脱穀機の中で茎までぼろぼろになってしまいますし、機械に入れる前に脱粒したり、殻がむけたりしてしまいます。
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朝からやって今日は米袋で7袋出来ました。みっちり8時間労働です。
この作業は機械を使えますが一番手間の掛かる所だそうです。もう一方の畑もあるので、あと数日はかかります。
実を採り終えた茎や、出てきたゴミは畑に返して緑肥とします。余すところ無く利用します。
後日、乾燥も終わり初めに脱穀したこの畑の収量が6俵だったと教えてもらいました。(1俵は45Kg)面積が約3反ですから、1反当り2俵取れたという事になります。
また、この焼畑を行うと地質改良が出来、一般には窒素分が増えPHがアルカリに振れるといいますが、今回はカリ分が増えていたという事です。
色々効果はあるようですが、何よりも小川さん曰く「蕎麦の味が濃くなります。」この一言に尽きるのではないでしょうか。
少し時間をおいて一冬越させた上で(新そばの時よりも味が豊かになるそうです)来年2月にはこの取れた蕎麦を使って、みんなで「そばがき」の試食会を行う予定です。 |